ブレイク〜３

掛け声と共に変化していく大門の体。
１５号へとその姿を変える。



対峙する二人の改造人間。

１６号「ふふん、まだ変身できる体力が残っていたとはな…」
１５号「くっ！」

再度激突する二人。
だが傷が癒えていない１５号はそこを狙われ、たちまち窮地に陥る。

１６号「ふんっ、その体で何が出来る？」
１５号「ぐあああっ！」

喉元を掴まれ、宙に持ち上げられる１５号。

１５号「ぐぐっ…ぐああっ」
１６号「くっくっくっ…はあああっ！」

そのまま腹に掌打を叩き込む１６号。
吹き飛ぶ１５号。
あわやとどめの一撃の瞬間、またしても１６号の動きが止まった。
振り向く１５号の後ろに掌を翳す平山の姿が。

１５号「博士…」
平山「大丈夫か？」
１５号「は…はい…」

１６号の前に立つ平山。

平山「ここは私が何とかする。君は早く安全な場所へ！」

だが、突然動き出す１６号の指先が平山の腹部を貫く。

平山「――――ぐはぁっ！」



喀血する平山。
叫ぶ１５号。

１５号「博士ぇっ！」

苦しむ平山に笑いながら答える１６号。

１６号「馬鹿め、同じ手が二度通用すると思ったか？
　　　　裏切りの発覚した貴様の思念波は、すでに組織によってキャンセルされている、
　　　　――――死ねぇぇっ！」

手を引き抜く１６号。
倒れる平山を抱きかかえる１５号、大門。

平山「う…」
１５号「博士っ、しっかりして下さい！――――博士っ！」

１５号に手を差し伸べ、最期の言葉を伝える平山。

平山「か…覚醒してくれ、大門君…組織の呪縛を…殻を…
　　――――ぶち壊してくれえぇぇっ！」

息絶える平山。
絶叫する１５号。

１５号「博士っ、博士ーーーーーーーっ！
　　　　…うおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーっ！」

その姿を冷淡に見ている１６号。

１６号「―――別れは済んだか…次はお前の番だ、１５号！」

平山をゆっくりと寝かせると立ち上がる１５号。
肩を震わせながら、１６号に向き直る。

１５号「―――――許さん…許さんぞぉ…―――１６号っ！」

両手を眼前で交差する１５号。

１６号「 !? 」
１５号「――――ブレイク、アップ！」

両手を大きく開き、天を仰ぐ１５号。
その声に呼応するように腹部から光球が出現する。



叫び声と共に更なる変化を遂げる１５号の体。
後頭部のヒレが吹き飛び、顎の髭が音を立てて弾ける。
口元のシャッターが開き、紅い内口が現れる。
三本だった指は五本へ。
大門、１５号の覚醒である。

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