熱血キッド『対決二人のキッド』：後編
●シーン６
そびえるドクトル城。
その城内、機械が立ち並ぶ一室。
一番端にはヒトデ男が入っている。順に機械を通って、最期の機械から取り出される「冷血飲料」。
ここはその製造工場なのだ。
それを見ながら笑うドクトル・ド・ツィータルド。
ドクトル「ふっふっふっ…今日もまた、冷血飲料が造られる…
愚かな人間共はこれを飲み、争いあい、殺戮を繰り返して、全て滅んでしまうのだ！あっはっはっはっ！」
一方、難を逃れた古佐典はかすみに会い、対策を練っていた。
かすみ「えっ、今度はヒトデ男なの？」
古佐典「ああ…兎に角かすみちゃんは、あの飲料水の置いてある販売機を探して、みんなに飲まないように注意してくれ！」
かすみ「わかったわ」
古佐典「うん」
頷く古佐典の耳に助けを呼ぶ悲鳴が。
男「うわああぁっ！暴漢が出たあぁっ！」
かすみに念を押し、その場を立ち去る古佐典。
古佐典「じゃ、頼んだよ！かすみちゃん」
走り去る古佐典。
●シーン７
何処かの造成地に佇む冷血キッド。
その前にゆっくりと降りてくるヒトデ男。
飛行形態から人間携帯へと、そのすがたを変える。
ヒトデ男「―――こんな所に呼び出して、何の様だ？」
冷血キッド「―――ヒトデ男、お前が人の血を集めるのは構わねぇ…だがな、熱血キッドに手を出すな」
ヒトデ男「なっ、何だとぉっ？貴様ぁっ！」
構えるヒトデ男。
それに対し腰のホルスターに手をあて、バスターを抜きかかる冷血キッド。
冷血キッド「面白い…――――やるか？」
ヒトデ男「くっ…くっそおぉぉっ――――――――覚えていろっ！」
変形し、飛び去るヒトデ男。
それを余裕で見ている冷血キッド。
冷血キッド「ふ…ヤツは俺が倒す…―――――この手でなぁ！」
●シーン８
公園で暴漢と対峙する古佐典。
金属バットを持った男の手に握られる冷血飲料。
男「はぁ、はぁ、はぁ…」
古佐典（Ｍ）「またあの飲料水だ――――」
男「うああああっ！」
男のバットをかわして当身を喰らわせる古佐典。
気絶した男の手から離れる冷血飲料。それを見つめる古佐典。
次の瞬間、稲妻とともにホワイトアウトする公園。宙にさらわれる古佐典。
古佐典「うわああぁっ！」
●シーン９
空中から投げ出される古佐典。
地面に叩きつけられる。
古佐典「ぐあっ！」
顔を上げる古佐典の前にヒトデ男が。
変形し、人間形態になるヒトデ男。
ヒトデ男「また邪魔をしおって、奥田古佐典！
アイツには手を出すなと言われているが、もう我慢出来んっ！――――死んでもらうぞっ！」
ヒトデ男の攻撃を受ける古佐典。
その猛攻の前に危機に追い込まれる。
地面に這い蹲る古佐典に勝ち誇るヒトデ男。
古佐典「くっ…」
ヒトデ男「ふっふっふっ、貴様もここまで…
冥土の土産に教えてやろう、この俺様が集めた血によって冷血飲料は作られる。
馬鹿な人間共はこれを飲んで、死ぬまで争いを続ける…ふぁっはっはっはっ！
この俺を倒さぬ限り、冷血飲料は永久に作られて行くのだ！」
ヒトデ男の言葉に怒りが湧き上がる古佐典。
拳を握って立ち上がり、熱血飲料を取り出す。
古佐典「熱血っ！」
掛け声と共に熱血飲料を飲み干す古佐典。
熱血の素、オクタコサノールが体の中でスパークする。
増幅されたオクタコサノールは白いソーラメタルに転換され、熱血プロテクトを構成し、熱血キッドに変身するのだ！
熱血キッド「俺は炎の子―――――熱血キッド！」
熱血キッドとヒトデ男の第２ラウンドが始まる。
パンチやキックでヒトデ男を追い込む熱血キッド。
ヒトデ男は飛行形態に変形、空中からの攻撃を開始する。
ヒトデ男「ふっふっふっ…行くぞ、ファイヤーッ！」
口から炎を吐き、熱血キッドを追い詰めるヒトデ男。
その時、ヒトデ男を貫く閃光！
ヒトデ男「ぐあああぁっ！変形装置をやられた――――元に戻られんっ！」
煙を吹きながら苦しむヒトデ男。
勝機を見い出し、ヒトデ男に飛びつく熱血キッド。
熱血キッド「―――今だっ！」
ヒトデ男「ぐうぅっ…離せっ、熱血キッドっ！」
熱血キッドをぶら下げたまま、飛行を続けるヒトデ男。
からくも熱血キッドを振りほどく。
宙を切って着地する熱血キッド。素早く腰の熱血ビュートを引き抜くと眼前にかざす。
熱血キッド「熱血ブレードっ！」
一瞬で鞭から剣に変わる熱血ブレード。
一気にジャンプして、ヒトデ男に突き刺す熱血キッド。
ヒトデ男「ぐおおおぉぉぉっーーーーーーーっ！」
熱血キッド「うおおおっ！」
熱血ブレードに貫かれ、たまらず空中から降りてくるヒトデ男。
背中から火花を噴出すヒトデ男。
熱血キッドはブレードを引き抜き、ヒトデ男に背を向ける。
ヒトデ男「おのれぇ…――――ド、ドクトル様ぁーーーーーーーーーーーーっ！」
倒れこむと同時に爆発するヒトデ男。
立ち尽くす熱血キッド。
熱血キッド「――――――っ !? 」
気配を感じ振り返る熱血キッドの前に、再び現れる冷血キッド。
熱血キッド「――冷血キッド！」
ゆっくりと歩を進め、近付く冷血キッド。
立ち止まり、ヒトデ男の骸に吐き捨てる冷血キッド。
冷血キッド「―――――ヒトデ男…馬鹿なヤツだ、あれほど手を出すなといったのに…」
踵を返して熱血キッドに言う冷血キッド。
冷血キッド「あまり手を焼かせるな、熱血キッド…お前は俺に倒されなければならない―――――」
熱血キッド「くっ！」
再び対峙する二人のキッド。
身構える熱血キッドに対して、冷血ブレードを抜き、ゆっくりと振り被る冷血キッド。
(Ｎ)「ヒトデ男を倒した熱血キッドの前に、再びその姿を現した強敵、冷血キッド！
だが、その恐るべきパワーの前に熱血キッドは一敗地に塗れている。
どうする熱血キッド、再びこの最強のアンドロイドに敗れてしまうのか？
頑張れ、奥田古佐典！闘え、熱血キッド！」
（つづく）
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