熱血キッド『対決二人のキッド』：前編
（Ｎ）ドクトルの送り込んだ怪人、クワガタ男。
その、鋭い角の攻撃に苦戦するキッド。
しかし、かすみの援護によりこれを退け、クワガタ男を撃破する。
だが、かすみの買ってきた飲料水を飲んだ途端、古佐典は気が変わったように苦しみ、かすみに襲い掛かった。
すんでの所で正気に戻った古佐典は、街でこのような事件が続出している事を知る。
謎の飲料水、冷血飲料。古佐典に最大の危機が迫る。
『対決！二人のキッド』
●シーン１
疾走する古佐典の車
古佐典（Ｍ）「どうして俺はあの時、正気に戻れたのだろう」
車を停めて車外に出る古佐典。
古佐典（Ｍ）「そうか、俺は熱血星人。地球人には効き目のある薬も、俺には効果が半減したのもしれない」
呼び出し音に気付く古佐典。胸元から取り出す通信機。
通信「キッド、街ニ吸血ヒトデガ大発生、多数ノ被害者ガ出テイマス。タダチニ対策ヲウッテクダサイ」
古佐典「分かった！」
通信機をしまう古佐典。
古佐典「くそうっ、ドクトルめ……んっ？」
古佐典の頭上を飛んでいく怪しい物体。
古佐典「何だ、あれは !? 」
●シーン２
後を追う古佐典。
造成地に辿りつくが、姿を見失う。
辺りを伺う古佐典の背後から襲い掛かる怪物。
古佐典「うわっ！」
吹き飛ばされ、立ち上がった古佐典の前に浮かぶヒトデ型の物体。
次々に手足を伸ばして人型に変形する。
ヒトデ男「ふっふっふっ…現れたな、奥田古佐典。俺はドクトル様の作り出した怪人、ヒトデ男だ。
冷血計画を成功させる為にも、貴様にはここで死んでもらう！」
古佐典「冷血計画？やはりあの飲料水は、お前達の仕業かっ！」
ヒトデ男「その通りだ…――――死ねぇっ！」
ヒトデ男と戦う古佐典。
崖の上に弾き飛ばされてしまうが、すっくと立ち上がる。
ヒトデ男「むううっ…降りてこい、奥田古佐典っ！――――ヒトデボムっ！」
ヒトデ男の口からの小型ヒトデによる爆弾が古佐典の足元で爆発。
宙を舞う古佐典は懐中から熱血飲料を取り出す！
古佐典「熱血ーーーーーーーーーーっ！」
発光する熱血飲料の「Ｎマーク」
熱血キッドへと変身する古佐典。ヒトデ男の眼前に立ちはだかる。
ヒトデ男「くっそーーーー、行くぞ熱血キッド！」
闘う二人。ヒトデ男の口から発射され、キッドに張り付く二匹のヒトデボム。
ゼロ距離からの爆発に、たまらずうずくまる熱血キッド。
熱血キッド「うわあああっ！…ぐっ、くうぅっ…」
ヒトデ男「ふっふっふっ、行くぞおおっ！」
熱血キッドに攻撃を掛けようとするヒトデ男。
その時、銃声の音と共にヒトデ男を貫く一筋の閃光。
ヒトデ男「ぐわあああっ！だっ、誰だ？邪魔をするのはっ！」
銃声の方向を向く、ヒトデ男と熱血キッド。
遥か彼方より、口笛と共に歩いてくる蒼衣の戦士。
熱血キッド「………」
ヒトデ男「ぬううぅ…」
ゆっくりと歩いてくる男の手に光る銃。
胸に輝く「Ｒ」のマーク。
立ち止まる蒼衣の男。
手にした銃をホルスターに収め、腕を組み笑う蒼衣の男。
男「ふっふっふっ…」
ヒトデ男「くそっ、邪魔をするならお前が先だっ！」
変形し、空から襲い掛かるヒトデ男。
だが、蒼衣の男は微動だにしない。
背後から飛び掛るヒトデ男に振り向きざま銃を撃つ。
ヒトデ男「うぐああぁっ！」
たまらず元の姿に戻り着地するヒトデ男。
ヒトデ男「くっ、くっそおぉっ…」
そのヒトデ男を指差し話し出す男。
男「――――少しは懲りたか、ヒトデ男。
さっさとドクトル城に還って、ドクトル様の指示を仰げ！新しい指令だ」
ヒトデ男「―――っ、さてはお前が――――（くっ）覚えていろ、この事は必ずドクトル様に報告するからなっ！」
吐き捨て、変形して飛び去るヒトデ男。
それを見ながら冷笑する男。
踵を返して熱血キッドを指差す。
男「おっと、お前にはまだ用がある――――熱血キッド」
ゆっくり立ち上がる熱血キッド
熱血キッド「―――お、お前は一体…」
男「冷血キッド…」
熱血キッド「冷血キッド !? 」
男（以下：冷血キッド）「――――俺は、お前を倒す為にドクトル様に創られた『戦闘用アンドロイド』だ…」
対峙する二人。
冷血キッド「熱血キッド―――死んでもらうぜっ！」
熱血キッド「！」
対決する、二人のキッド。
冷血キッドの戦闘力は熱血キッドに匹敵するものであった。
熱血キッド「―――つ、強いっ！―――熱血ビュートっ！」
熱血キッドの鞭が冷血キッドの腕に絡む。
すかさず銃を引き抜き、これを切断する冷血キッド。
冷血キッド「バスター！」
冷血キッドの猛攻に防戦の熱血キッドは一瞬の隙を衝いて、モト熱血を呼ぶ。
熱血キッド「モト熱血！」
●シーン３
熱血基地からコンテナを換装し、発進する熱血フォートレス。
空中で展開するコンテナの中から現れるバイク「モト熱血」が射出された。
●シーン４
モト熱血に跨り、敗走する熱血キッド。
冷血キッド「逃がさん！」
空を飛び後を追う冷血キッド。
熱血キッドを見つけ出し冷血バスターが火を噴く。
熱血キッド「うわあああっ！」
●シーン５
衝撃でモト熱血から振り落とされる熱血キッド。
そこに追いついた冷血キッドが立ちふさがる。
熱血キッドの攻撃を尽くかわす冷血キッド。
冷血バスターが熱血キッドのショルダーアーマーを吹き飛ばす。
戦闘力が低下し、マスクのシャッターが開き、口元が露になる熱血キッド。
後ずさる熱血キッドを追い詰める冷血キッド。踏みつけられる地面に落ちたショルダーアーマー。
冷血キッド「ふっふっふっ…ここまでのようだな――――死んでもらう！」
冷血バスターのハンマーを起こす冷血キッド。ゆっくりと回りだすシリンダー。
熱血キッド「――――くっ !? 」
その時、突然鳴り出す冷血キッドの胸のタイマー。
苦しみだす冷血キッド。
熱血キッド「？」
冷血キッド「くそうっ、冷血飲料が切れてきた――――っ！」
熱血キッドを指差す冷血キッド。
冷血キッド「熱血キッド、お前を倒すのはこの俺だ。それまで、誰にも殺られるんじゃねぇぞ…―――――とおっ！」
空を飛び、去っていく冷血キッド。
それを見ながら、肩を押さえて立ち上がる熱血キッド。
熱血キッド「つ…強い…――――冷血キッド！」
Ａパート終了
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